目次
あらすじ
スラムチックな夜の街を連れまわされた挙げく150ドルの高額なホテルに泊まらされた到着一日目。
さらにはリクシャマンに6000円をぼったくられつつも、無事にデリーを脱出してアグラで一息つけた二日目。三日目は「世界一美しくゴージャスな建造物」と名高いタージ・マハルを観光!ようやく本格的にインドのバックパッキング旅行がスタートです。
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リクシャマンHEROとの出会い
適切と思われる金額で宿泊することができ、ぐっすりと眠ることができた翌日。到着3日目にしてやっと落ち着いて旅を楽しむことができそうです。
この日はアーグラの観光が目的、特に世界的にも有名な世界遺産「タージ・マハル」は見逃せません。
昨日買ったビスケットで朝食を済ませ、ホテルをチェックアウトすると、ホテル前にはリクシャマンがたむろしています。
リクシャマン:ハロー、サイトシーイング?
えいたそ:イエス!
40〜50代くらいの小柄なリクシャマンが声をかけてきました。この人も真っ黒に焼けています。
昨日までのオートリクシャ(バイク)ではなく、このリクシャマンは人力のリクシャです。日本にもあるような人力車が客席で、それをチャリンコで引っ張る乗り物です。
リクシャマン:ワタシ、アグラクワシイ。100ルピーワンデイ。
えいたそ:100ルピーで1日付き合ってくれるの?
リクシャマン:イエス
えいたそ:OK. But I pay you just 100Rs.
リクシャマン:ノープロブレム
100ルピー(200〜250円)で1日観光に付き合ってくれるだなんて「ウソ臭い」と思いつつも、昨日までに出会ったインド人と比較して真面目そうなリクシャマン。いざとなったら武闘派になる覚悟をしつつ「100ルピーしか払わない」と念を押し、観光案内を頼むことにしました。
リクシャマン:ヘイ、ワッチャネーム?アイム「ヒロ」。
そう言ってメモ紙に「HERO」と書いたリクシャマン。「ヒーロー」だなんてご立派な名前です。
えいたそ:アイム「エージロ」。ナイストゥーミーチュー。
リクシャマン:ナイストゥーミーチュー。
丁寧に手を差し出し、握手を求めるヒロ。このインド人いい人かも!
インドの至宝!タージ・マハル観光
昨日、ホテル到着後にタージ・マハルへの方向は確認しておきましたが、その道を牛と並びながらリクシャに揺られるえいたそ。
世界的に有名な世界遺産で、インド観光のメインとも言えるタージ・マハルをこの目で見ることは、今回の旅の目的の一つでもありました。
遠目にも白く美しいタージ・マハル、めちゃくちゃ楽しみです。
タージマハルとは?
インドの王、シャージャハンが奥さんムムターズ・マハルのために建てたお墓。1632年から作り始められ、1648年に竣工。20年後の1653年には諸々の整備が完了したそうです。1983年に世界文化遺産として登録されました。直訳すると「王冠宮殿」だそうです。
ヒロのチャリンコに引っ張られ、目的地に到着。タージ・マハル周辺は雑多な店が並び、観光地っぽい雰囲気を醸し出しています。
ヒロ:俺はここで待ってるから、好きに回ってきてくれ。
えいたそ:オーケー!
紳士に待っていてくれるというヒロを残し、タージ・マハルに入場!
入り口でチケットを750ルピーで購入し、大きな荷物を預けて軍服を着た人からボディチェックを受けます。
日本人からするとやや警戒しすぎでは?と思うものの、やはり世界的にも有名な観光地ですし、列車が予告なく爆発するような国では当然なのかもしれませんね。
ちなみに、ここで購入したチケットには同じアグラにある「アグラ城」の入場券も付いています。
さてさて、憧れのタージマハル、門をくぐると壮大なタージ・マハルがそこに!一直線の池?がまっすぐと廟に伸び、池を中心線に左右対称に建てられた見事な芸術です。
ツアーで来たと言う日本人観光客もおり、そのおばちゃんに写真を撮ってもらいました。
しばらくその美しさに立ち尽くすえいたそ。インドにきたという実感がじわじわと湧いてきてなんか感慨深い。
タージ・マハル内部には、靴を脱いで上がらなければなりません。階段に靴を脱ぎ、廟の中に入りますが、その大理石の壁面に彫られたイスラム文字は流麗で美しい。中二心をくすぐられる感じです。
廟の中では、観光客を案内するインド人がおり、手を叩いて内部で反響する音について説明していました「パン」と手をたたくと響き渡るその独特な音、そして薄暗くひんやりとした空間。
パンパン叩いていると、観光ガイドに嫌な顔をされました。美しく壮大な外観に比べておもしろいものは特にありませんが、霊廟内ではとても厳粛な気持ちにさせられます。
この日の天気は雲ひとつない晴れ!というわけにはいきませんが、それでも白亜の霊廟はとても美しく、「世界一美しい霊廟」の呼び名に恥じない壮大な迫力を持っていました。
インドへ来たなら、絶対に行って損はない観光地です!
アグラ城へGO!
タージ・マハル観光を終え、ヒロが待っているところに戻ると、僕を見かけたヒロはすぐに手を挙げて迎えてくれました。かれこれ1時間は見て回っていましたが、長い時間待っていてくれたなんて感激です。
ヒロ:おかえり。次はどこへ行きたい?
えいたそ:アグラ城へ行きたいなー。いける?
ヒロ:問題ない、任せてくれ。
白亜のタージ・マハルの次は赤砂の城壁に囲まれたアグラ城へ。ヒロがこぐチャリンコは、その細身からは想像もつかない力強さでぐいぐい進んで行きます。
そうそう、ヒロは片言の日本語を理解して話しますが、なんと彼は「風」という文字と風神が描かれたTシャツを着ていました。うーん、親切で頼もしいリクシャマン、まさに「風」のような男です。
アグラ城とは?
タージ・マハル同様、1983年に世界文化遺産に登録されたお城。1565年に着工して1573年に完成したんだとか。アクバル帝からシャー・ジャハーンまで3代の王様の居城になったんだと。
先ほど購入したチケットで入場し、アグラ城を観光。タージ・マハルほどの美しさはありませんが、1573年に建てらた歴史ある王宮ながら、その歴史を感じさせないがっしりとしたたたずまいには圧倒されました。
アグラ城からは遠目にタージ・マハルを眺めることができます。
「ベビー・タージ」で親しまれるイティマド・ウッダウラー廟
アグラ城の観光を終えると12時を回っており、「そろそろランチにしよう」と言うヒロに誘われ昼食をとることにしました。
アグラ城のそばで、初の屋台飯にチャレンジ!
この日の昼食は2日目にサージャンにごちそうになった、インドで定番のプレート料理「ターリー」。お値段なんと20ルピー(40円くらい)!
ターリーはチャパティー(うす焼きのナンのようなもの)やご飯に、数種類のカレーなどがついた定食です。味は・・・まずくはないけど水っぽい(゜ー゜;)
屋台のようなところでヒロと並んでターリーを食します。衛生的に不安はあるものの、インド人のヒロに習い右手で米をすくいながら食べました。
ヒロ:よし、次はどうする?
えいたそ:うーん、観たいものは見れたから満足なんだけど、オススメはある?
ヒロ:そうだな、「ベビー・タージ」に連れて行ってやろう。
えいたそ:ベビー・タージ?タージ・マハルの小さい版って感じ?
ヒロ:まぁそんなもんだ。
昼食を終えた僕らは、ヒロオススメの「ベビー・タージ」へ向かうことに。「ベビー・タージ」とはインド人達の愛称らしく、正式名は「イティマド・ウッダウラー廟」と言い、こちらもタージ・マハル同様にお墓です。
イティマド・ウッダウラー廟(舌を噛みそうですね)はアグラ市街を流れる川を渡ったところにありますが、圧倒的な知名度を誇るタージ・マハルや王宮アグラ城に比べ、若干中心地から離れているので観光客の関心は低いようです。
実際に僕はその存在すら知りませんでしたし、行ってみると現地人はちらほらいるものの観光客はほぼいませんでした。
そんなベビー・タージに到着し、入り口で100ルピーを支払い中へ。
「おおっ!」
確かにタージ・マハルと比べると全然小ぶりですが、大理石で左右対称に建てられたその姿は目を見張るものがありました。タージ・マハルは主に大理石を彫る装飾がみられましたが、こちらは宝石を用いたカラフルな透かし彫りが施されており、一味違った美しさがあります。
ツアーでは組み込まれにくい場所にありますが、それほど市街から遠くもないので自由気ままなバックパッカーの旅をされる方はぜひ足を運んでみてください。
「ベビータージ」で伝わるでしょうし、一見の価値ありです。
対岸から楽しむタージ・マハル
ベビー・タージから戻ると、ヒロが「次はオススメの場所に連れて行ってやろう」と準備万端。アグラと言ったらタージ・マハルくらいの知識しかないえいたそにとって頼りになるガイドっぷりを発揮し、なんとあのタージ・マハルを川を挟んで眺められる場所へ連れて行ってくれました。
といっても、イティマド・ウッダウラー廟からはほんの数分の距離で、観光地でもなく本当に「川辺」の周りには何にもない場所。
しかし、川を挟んでみるタージ・マハルも一味違った美しさがあり、「夕暮れとかドピーカンだったら川と一緒にいい写真が撮れそうだなぁ」と思える素敵な場所でした。
それにしても、牛ってどこにでもいるのね。(笑)
もしベビー・タージに行くことがあれば、ちょいと足を延ばして川辺に行ってみるのもオススメです。
ヒロのためにお土産屋巡り
さてさて、15時を過ぎ、アグラ観光も十分満喫できたえいたそ。
そんなえいたそを前に、ヒロが何やら物言いたげな雰囲気を醸し出しています。
えいたそ:どうしたの?
ヒロ:頼みがあるんだが、いいか?
えいたそ:なに?
ヒロ:俺はこれまでお前のためにいろいろ案内してきた。
えいたそ:うん、ありがとう。本当によかったよ。
ヒロ:それは何よりだ。そこで頼みがあるんだが、お前を土産屋に連れて行きたい。お前をつれていくと俺に少しばかりこづかいが入るんだ。もちろん、嫌ならそれでいい。
えいたそ:いいよ、付き合うよ。危なくなければ。(笑)
ヒロ:大丈夫だ。いらないものがあれば買わなくていいから。
なるほど、この辺は日本のツアーと同じみたいですね。観光客を連れていくとお土産屋さんからフィー(手数料)がもらえるみたいですが、インドも同様で僕を連れていくことでヒロに1店舗あたり10ルピーくらいが入るんだとか。
これまで長い時間待たせたり、自分一人では行くことができなかった場所へ連れてきてくれたヒロ。信頼できそうな彼のためにちょっとばかり協力したいと思い、付き合うことにしました。
えいたそ:よし、そしたらさっそく行こう!どこに連れて行ってくれるの?
ヒロ:最初は服屋だ。
「最初は」ってことはいくつか回るつもりなのね。(笑)
まぁ暇だしそれも一興、お付き合いいたしましょう!
1店舗目は洋服屋で、女性のパンジャビドレスや男性のクルタ、パジャマなどインドの伝統衣装を販売しているお店でした。
ここでトリビア。
寝巻きとかを意味する「パジャマ」ですが、語源はヒンディー語(さらに遡るとペルシャ語)の「パージャーマー」で、ズボンを指す言葉だそうです。服(上衣)を意味するのは「クルタ」で、このクルタとパージャーマーを東インド会社の駐在員だったイギリス人が寝巻きとして使ったことから、世界に「寝巻き=パジャマ」として広まったそうです。
それはさておき、さっそく店内に入ると元気なインド人が出迎えてくれます。
インド人:ハロー!ジャパニー?コニチワー!
えいたそ:ハロー!
インド人:ナニカイマスカー?イロイロアリマスー。パンジャビドレス、オンナヨロコブ!
おおお、すごいセールスかけてくるなぁ。
店員さんの勢いに圧倒されるえいたそ。ただ、せっかくインドにきたのでなにかしらインドっぽい服は着てみたいなぁと思い、店内をプラプラ。
えいたそ:ヘイ、インド人が着るような服が欲しいんだけど…。
インド人:それならクルタがいいね!これとかオシャレでかっこいいよ!
店員さんが出してきたのは首回りに金の装飾が入った黒いクルタと、それにセットのズボン(パジャマ)。
ちょっと派手かな、と思いつつもなかなか肌触りもよく、薄手なのでインド旅行中は過ごしやすそうです。
えいたそ:これいくら?
インド人 :3000ルピー!
えいたそ:オウ、エクスペンシブ!高いよ!
インド人:2000ルピー!
おいおい、いきなり1000ルピーも下がったぞ。明らかに高値で売ろうとしてくるインド人を相手に、負けず嫌いのえいたそも粘ることにしました。
えいたそ:500ルピー、オーケー?
インド人:っっ!? ノーノー!!
突然安すぎる?値段で反撃してきた観光客に、営業上手のインド人もびっくりしたようです。
インド人:500ルピー、ノー!!
えいたそ:オーケー、グッバイ!
インド人:ヘイヘイヘイ!!ウェイトウェイト。1500ルピー。ノーモアディスカウント!
もはややりとりを楽しんでいるえいたそに対し、1500ルピーを提示してくるインド人。
うーん、1500ルピーってことは3000円以上ってことかぁ。
普段、オシャレというものに関心がなく、ノリで買う洋服に3000円もかけるのは気が引けます。
えいたそ:ノーモア?
インド人:イエス!1500ルピー!
えいたそ:オーケー、買うよ。でも1500ルピーは高いから500ルピーとこの時計でどうかな?
インド人:ウォッチ?
えいたそ:イエス。ルックヒア、シルバーメタル!ベリーCoolネ。
そういって、出発前に買ったセブンスター(カートン)のオマケでついてきた時計を見せるえいたそ。オマケながら、ツヤ消しの金属製の時計はなかなかかっこよく、ダメ元で交渉材料にしてみることに。
それにしても、インド人と喋っているとどうしても片言になったり、語尾が「〜ネ」となってしまったり、インド人の口調がうつってしまうようです。
インド人:イエス!ベリーCoolネーー!!アイライクディス!500ルピーオーケー!
えいたそ:マジか!サンキュー!!
オマケでゲットした時計が1000ルピーの価値になり得したわけですが、インド人も気に入ってくれたみたいで、がっちりと握手を交わし交渉成立!
いや、ぼったくってくるとはいえ、こういうやりとりはなかなか楽しいですね。いい買い物ができたなーと、服の価格以上の体験に満足してお店を出るえいたそ。
外で待っていたヒロは、途中雨が降った中、僕の荷物を濡れないように抱えて待っていてくれました。
なんていい人なんだ!
この紳士なリクシャマンに対して、少しでも疑ってしまったことを恥ずかしく思いました。
その後、タージ・マハルなどにも施されていた大理石の「透かし彫り」のお店や雑貨屋などを数店舗周りましたが、どの店でも商魂たくましいインド人に押されつつも、コミュニケーションのおもしろさを感じることができました。
「騙される」「怪しい」と警戒しがちですが、「ぼったくりの店員」も見方を変えるとただ単に物を高く売りたい営業マンです。値切り交渉の文化がない日本人にとっては、面食らうかもしれませんが、「値下げ交渉」は買い物時のやりとり1つの楽しみではないかな、と思います。
もちろん、なかには監禁までいかないにしろ、買うまでなかなか帰れなかったりするような話もありますので、1人で行動する際は十分注意が必要ですが。
アグラから聖地バラナシへ
ヒロに感謝されながらお土産店を周り、時刻も18時を回りました。
アグラ駅でバラナシに向かう電車が20時過ぎにあることを確認し、夕食を食べることに。ヒロオススメのカレー屋さんへ行き、そこでEgg Curryを注文。
インドで初めてカレーを食べることになったわけですが、出てきたカレーはすごく美味しくて、日本人の口にも合うお味。
100ルピーとインドでは比較的高めのお値段設定ですが、カレーレストランといった感じの店内は清潔感もあり、味も良くアグラ最後の食事としてはパーフェクト。
ヒロに駅まで送ってもらい、いよいよヒロともお別れです。たった1日の付き合いでしたが、インド滞在中に出会ったインド人の中でも最も紳士的で親切な人でした。というより、人生で出会った中でもこんな親切で紳士的な人はなかなかいません。
えいたそ:今日は一日ありがとう。おかげでパーフェクトな一日が過ごせたよ。本当に100ルピーでいいの?
そう言って100ルピーを差し出すえいたそ。
正直この後に及んで、「もっとよこせ」と言われるんじゃないかと疑う気持ちがなかったわけではありませんが、ヒロはそんなことは一切言わず、差し出した100ルピーを押し抱くように受け取りました。
ヒロ:ありがとう。良い一日になって俺も嬉しい。そうだ、嫌でなければ今日の感想を書いてくれないか?
ヒロに渡されたのはしわしわになったメモ用紙。
そこには、何人かの日本人から「HEROはすごく親切です!ありがとうHERO!」といった内容で、ヒロに対する感謝の気持ちが書かれていました。日本人旅行者に対しての営業ツールにでもするのかな、と思いつつ、喜んでヒロと今後ヒロが出会う日本人に対してメッセージを残しました。
ヒロ:エージロ、サンキュー。
えいたそ:ヒロ、本当にありがとう!
自然と握手の手を出すえいたそ、ヒロもがっちりと握手を返してくれました。今となっては100ルピーではなく、それに感謝の気持ちをのせた金額を渡しておけばよかったなぁとちょっと後悔しています。
ヒロ:グッドラック、エージロ!
ヒロに見送られながら、充実感とともに寝台列車がくるアグラ駅へ向かうのでした。
クソー、なんであいつに3000ルピーも渡しちゃったんだろう。奴にヒロの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい!!
「ギブミージャパニーズシガレット!!」
「ノープロブレムネ!」
初日から2日目にかけて連れ回されたデリーのリクシャマンの顔がフラッシュバックしてイライラしてきます。
イカンイカン!あんなヤツのために素晴らしい気分を台無しにしてはならん!
さて、寝台列車のチケットを買い、列車を待つえいたそ。ここでもカルチャーショック、インド人はホームから飛び降りて向かいのホームへ移動しています。
なんと、普通に線路を横切っているんですよ。
日本では考えられませんよね。アジア風の英語で構内アナウンスが流れているんですが、「線路に立ち入ると罰せられます」と言っているように聞こえるのは僕だけだったんでしょうか。
「それにしても遅いなぁ」
20時20分に電車が来る予定が、もうすでに30分過ぎています。
インドの電車は時間通りにこない、とは聞いていたものの、実際すごく不安です。駅員に「HAPPY JOURNY」と書かれたチケットを見せ、列車がまだ来ていないか2回ほど確認してしまいました。
21時15分、ようやく電車がやってきて、駅員にバラナシに行くか確認。なんと1時間も遅延!ようやく列車に乗り込むことができました。
インドの寝台列車はなんと3段ベッド。1番下が座席として使用され、2段目、3段目は折りたたまれており、2段目は座席の背中のクッションの役割を果たしています。
1段目・2段目は座席として使われてしまうため、皆の同意がないと寝ることができません。そして3段目も高いので2段目が開かないと上に上がれないため、結局寝れません。
そんな寝台席、一つのコンパートメントには3段ベッドが2つ並ぶため、僕の周りには5名のインド人がいるわけです。そして、彼らにとって僕は異国の人間なわけですから、好奇心からかガン見されるわけです。
「こいつら、俺の寝込みを狙って荷物をパクるつもりなんじゃないか。」
5人のインド人にガン見されているわけですから、嫌でも疑ってしまいます。念のため、ベッドを吊る鎖にワイヤーロックを巻きつけ、リュックをつないでおきました。
小一時間ほど遅れた列車ですが、「キィィ」と甲高い金属音を立てながら動き始めました。アグラでの観光と素敵な出会いに感謝し、次の目的地、インドにきたら絶対にいきたいと思っていた聖地バラナシへ向かいます。
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