目次
あらすじ
大学4年の6月、これまで読んできた紀行文に影響されて一人旅を志したえいたそ。
航空券、ビザの手配といった準備を終え、イメトレも完璧に済ませた僕は、2008年の8月11日に成田空港にいました。
いよいよ初めての海外一人旅、しかも危険がいっぱいといわれているインドへの旅行の始まりです。
▼インドバックパッカー旅行の基本情報&旅行記のバックナンバーはこちらから!
やっぱ帰ろうかな、成田空港での葛藤
パンパンのリュックを背負い、出発の3時間前には空港に向かったえいたそ。
気合い入りまくり。
友人たちには気取って「インド行ってくるわ」「死んだら葬式来てちょ」なんて軽口を叩いていましたが、成田空港にいた僕は「帰ろうかな、今なら間に合う。」と割と本気で見合わせを考えていました。
なんて言ったって初めての海外一人旅。
これまで圧倒的に頼れる父がエスコートさしてくれていた家族旅行とは訳が違うのです。
出発直前、友人に「今からインド行くじょ」と遺影代わりのふざけた写メを送りつけて平静を保とうとするものの、出国手続きを終えた僕。
父さんがくれた熱い想いと母さんがくれたのあの眼差しを胸に、いざインドへ向かいます。
しかし、飛行機が大好きな僕は、飛行機が見えた瞬間からテンションマックス!
飛行機が滑走路へと進み、テイクオフの瞬間は「フオオオオオ!!」と心の中で叫んでいました。
折しも北京オリンピックが開催されており、隣に座っていたおばちゃんは出場する親戚の応援へ行くそうでした。
その時は「へー」と対応していましたが、今考えると五輪に選抜されているってめちゃめちゃすごいですよね。
旅は道連れ 慶応ボーイリュウタとの出会い
オリンピックが開催されているせいか乗り換えの北京はセキュリティーが厳重で、ライターとペットボトルの水を取られてしまいました。
しかもやたら目付き悪いし。
ガン垂れてんのかコラァァ!と言ったら普通にタイホされそうな感じです。
13時には北京国際空港にいたのですが、インド行きの乗り換え便は18時発。乗り換えまでかなり時間がありました。
北京空港はオリンピックのためにかなりきれいに整備されていたものの、多くの旅行者はオリンピック目当て。搭乗待ちの出国エリアはほとんど人を見かけないほど閑散としていました。
もしかしたらインドって普通の人は行かないのかな?
そんな気持ちにさせられる雰囲気です。
そんな中、僕と同世代の日本人らしき旅行者が、僕と同じ搭乗ゲートに向かってきます。
日本人:あの、すみません。インドですか?
えいたそ:そうです。インドです。
日本人:そうですか!僕もインドです。良かったー。
「あなたはインドですか?」
「はい、インドです。」
「そうですか、私もインドです。」
クレイジーな会話ですが、同じ身の上、理解できるものですね。
話しかけてくれた日本人は、僕と同じインドへの旅行者で一つ年下の慶応ボーイ、リュウタ。
自己紹介を終え、話を聞いていると彼も全く同じで一人旅初心者でいきなりインドへ行こうとするおバカさんでした。
リュウタ:いやマジインド怖いですよね。帰りたいっす。
えいたそ:僕もです。なんでここにいるんですかね。
彼もインド旅行に怯えていて、怯えの理由は全く一緒。
伝染病、特に狂犬病ウイルスを持っていると評判のワンちゃんが怖いということでした。(笑)
リュウタ:犬が来たら僕、逃げますんで。その時はよろしくお願いいたします。
えいたそ:じゃぁ今のうちにどっちが噛まれるかじゃんけんで決めておきましょう。
そんなバカな会話ながら、同じ境遇の者同士、話し相手ができて幾分不安も軽くなりました。
いや、旅は道連れってホントですね。
僕はこの時、「一発で吹き飛ばせそう」なリュウタの体躯を見ながら、犬に追いかけられたら絶対コイツを犠牲にしようと思いました。
中華料理屋で2ドルのコーラを飲み、たまにタバコを吸いに行ったりして時間を潰します。
リュウタ:デリー到着って深夜じゃないですか、宿とかとってます?
えいたそ:いや、歩き方には空港からでるなって書いてあったから空港で夜明かししようかと思って。
リュウタ:マジっすか?僕アストリアってホテル予約してるんです。良かったらきますか?
えいたそ:えっ?いやいや悪いですよ、よろしくお願いします。
彼は一日目の宿を手配しており、僕以上に準備をされていたようです。さすが慶応ボーイは違いますね。
お言葉に甘えてお世話になることにしました。
いやー、前言撤回。
君のためなら喜んで犬に噛まれてやろう!リュウタ君!
※この時到着後の悪夢を予想だにしていませんでした
連れができると早いもので、出発時間の18時があっと言う間にやってきました。
いよいよここからが本番。
さぁ、インドへ出発DEATH!!
▼続きはこちら!
▼インドバックパッカー旅行の基本情報&旅行記のバックナンバーはこちらから!