副業術

副業で起業は可能?

目次

副業でサラリーマンが起業することは可能?

副業をするサラリーマンの中には、副業ででっかく稼いで起業したい、という夢を持っている人もいるのではないでしょうか。巷には副業で年収1,000万を稼いで独立した人や、すごい人だと年収1億円なんて人もいて、そういう人が書いた副業のノウハウ本なんかもありますよね。僕は指図されるのが好きくないので、自分のペースで働ける自営業に少なからず憧れがあるんですが、ここでは「野望」を持つサラリーマンが副業で成功して起業することについて考えてみたいと思います。
さて、起業に対する夢やあこがれを抱くこと、起業するという「目標」を持つことと、起業をして「成功する」ことは話が違います。ぶっちゃけ、1円でも資本があれば株式会社が設立できるように、起業をすることや社長になること自体は誰でも今すぐにできます。ただ、サラリーマンが起業をする場合、サラリーマンだから受けることができる恩恵を捨て、自分で飯を食うお金を稼がなければならなくなります。なので、起業することは簡単だとはいえ、起業して安定的に生活できるのか、会社を辞めてやって行けるのかを天秤にかけて考える必要があるんですね。

サラリーマンならではの恩恵

他のページでは「会社は社員を守ってくれない」と言っているものの、独立している人と比べると、なんだかんだサラリーマンは会社からたくさんの恩恵を受けています。

【給料】

サラリーマンでいる一番のメリットは、毎月決まった日に、決まった額のお給料を得ることができることです。成果によってはインセンティブが加算されたり、夏・冬のボーナスがある会社もあるでしょう。給料を得るためには、毎日ちゃんと出社さえしておけばよく、極端な話、さぼっても目標に未達でも給料をもらうことができます。会社員をやっていると当たり前に感じる給料ですが、自営業の場合は、自分で売上を立てられなければ給料はゼロです。好調な時期は収入も増えますが、売上げや業績が生活に関わりますから常に不安と隣り合わせ、自己責任の世界です。

【社会的信用】

クレジットカードの契約、ローンの契約、保険の契約など、「契約」と名のつくものには「社会的な信用」が必要になります。そして、一般的には自営業よりも、会社勤めの人の方が社会的信用が高いと言われています。個人単位で信用度合いを考えると、会社から給料を得ている人と、自営業で稼いでいる人とでは、収入を失うリスクが会社員の方が低いと考えられるからですね(要は安定性ということです…)。
住宅を購入する場合、ローンを組むことがほとんどですが、自営業の場合はよほど事業が安定していない限り銀行からお金を借りることができません。つまり会社員は、自分では獲得できない社会的信用を会社に勤めることで得られるのです。ちなみに社会的信用の高い順番として、公務員=大企業会社員⇒中小企業⇒自営業が一般的で、ニート・フリーターは社会的信用はゼロです。

【健康保険・雇用保険・労災】

社員の生活に関わるのが給料から天引きされている各種保険です。これらは給料から引かれるため、額面だけ見ると「なんでこんな引かれるんだよ」と悲しくなりますが、会社が負担してくれていることを考えると文句がいえません(笑)自営業ですと、会社負担とかは関係なく、事業で得た収益から自分の生活に関わる税金や保険料を納めていかなければなりません。

【福利厚生】

ホテルやフィットネスクラブなどの利用を会社が一部(または全額)負担してくれる福利厚生。企業によって内容は様々ですが、通常価格より割安で各種サービスが利用できるのは嬉しいものです。研修やセミナー、資格取得の補助が出る場合、お金をもらって勉強することができます。自営業なら全て自分でお金を出さなければならないので、これも恩恵の一つですね。

副業からの独立を目指すには

会社からの恩恵があるため、サラリーマンにはサラリーマンなりのメリットがあるわけですが、それでも自分の力を試したい、起業したいという思いが溢れちゃうような人はいますか?。(笑)
もし、憧れなんかではなく、本気で起業をする場合、以下のことを考えてみたら良いと思います。これは起業・廃業を経験した人、起業して事業をなんとか継続している人の話を直接聞いて僕が思うところです。

【起業するなら貯金を200万以上持とう】

いざ起業をしたとしても最初から順風満帆で利益がでることは少ないでしょう。ですから、起業にかかる資金とは別に、自分の生活費としてしばらくはしのげるお金として100~200万円は確保しておいたほうが良いと思います。事業の見込みがなく廃業を選んだとしても、就職するまで何とか生活するためのお金です。

【退職・起業は事業の見込みがついてから】

起業を選択し、今の会社を退職する場合、これから始める事業で収益を得る見込みがついてからが理想です。辞めてからゼロから事業を立ち上げるのは見切り発車も甚だしく、リスクが高すぎます。サラリーマンが起業する場合、リスクをできるだけ下げるために、毎月お給料以上の売上が出てから起業の準備を始めても遅くはありません。

【収益のポートフォリオを用意する】

ポートフォリオとは、資産運用のリスクを分散するために複数種類の投資先を持つことを指す金融用語です。
副業でいえば、1サイトから月間50万円のアフィリエイト収入を得る人よりも、5サイトから月間10万円ずつ得る人の方が低リスクといえます。例えば、「すごい石鹸」という商品を扱ってアフィリエイトを行うAさんとBさんがいたとします。Aさんは「すごい石鹸」を紹介する1サイトだけで月間50万円稼ぎ、Bさんは「すごい石鹸」のサイトで月間10万円、他のジャンルの4サイトで40万円、合計50万円を稼いでいます。毎月稼ぐ金額は同じですが、ある日突然「すごい石鹸販売終了のお知らせ」が出た場合、損失が大きいのはどちらでしょうか。
答えは明白、月間50万円をまるっと失ったAさんは来月以降の売り上げはゼロ、対してBさんは石鹸のサイトを一つ失っただけで、他のサイトで40万円を維持することができます。独立を目指して副業をするのであれば、収益の柱は複数用意しておきましょう。

夢は大きく!でも慎重に

副業をするに当たり、稼ぐという目標は大きく持って頂きたいものですが、副業はあくまで副業と考えた方が良いのではないでしょうか。
もし、始める段階で起業も視野に入れているのであれば、起業を踏まえた副業のやりかたを考えた方がよいでしょう。副業でちょっとうまくいったからといって、起業してみよう!というのは危険です。副業が好調で起業を思い立ったのであれば、きちんと準備期間を設けましょう!